電通、W杯効果も広告減に勝てず利益16%減

http://www.nikkei.co.jp/news/sangyo/20030516AT2D1601916052003.html

単純に不況だけを理由に考えてよいものかどうか?
この記事よりも、電通が子会社としてクリエイティブエージェンシー3社を設立したっていう2、3日前の記事のほうが象徴的というか。これはほっといたらクリエイターが離脱しかねんとか、メディアマージンがブラックボックスになりがちなことへの広告主サイドからの圧力が強まってるとか、いろいろ将来をみすえた動きと思える。
日本の大手広告代理店の強さってのは総合力だろう。コミュニケーション全般をやるってところで、欧米とは少し違うが、これはこれで良い面もある。しかし、問題は今でもそうだけれども、結局、大手代理店の生命線ってのはメディアマージンであるというところか。電通なんかはその圧倒的なブランド力と、バイイングパワーにクライアントがついてるわけで、クリエイティビティは後付けに近い。バイイングがあるから、クリエイティブにも金かけられるみたいな。博・読・大の合併ってのはバイイングパワーでの電通一極支配への抵抗だろうが、じゃぁ、それぞれの会社はプランニングやクリエイティブで生き残れるのか?っていうと疑問が残る。「創」にも書かれていたけど、結局、読、大のクライアントは博に流れちゃったりすることにならないのかいね。

最近はどこもかしこもブランドだけれども、ブランドが広告代理店にとって都合がよいのは、ブランディングが企業活動すべてを包括するからだろう。ブランディングって立場にたてば、広報、宣伝だけにとどまらず、あらゆる企業活動に入り込めるわけで、ここはメディアマージンに代わる新しい市場みたいなもんかもしれんね。