MS症候群

http://www.scient.co.jp/about/press_room/pov/pov03.jsp?ky=b&ss=f54ed22036

マルチサイト症候群には重複投資やブランド・バリューの低下が潜んでいるのは確かだろう。
でも、最近大手企業がやりはじめた統一グローバルナビゲーションヘッダみたいな考え方ってどうなんだろう?
松下電器明治製菓サントリーネスレジャパンなど、多彩な商品ブランドや事業ブランドを抱える大手企業が、一つの統一ナビゲーションを採用するようになった。
これは一種、コーポレートブランドをあらゆる製品にも紐付けちゃえという強引さに映る。「無頼派」は「サントリーの」「無頼派」だろうが、その「サントリーの」という「所有格」がそれほど必要であろうか。

無頼派のサイト
http://www.suntory.co.jp/whisky/buraiha/index2.html

統一ナビゲーションがついたことで明らかに「無頼派らしさ」みたいなものは弱まってしまったと思うのだが。

カールは「明治製菓の」カールである必要はあるのだろうか?

統合ナビゲーションは、細分化され、巨大になったウェブサイトに統一感をもたらしたり、巨大な自社サイトネットワーク内での横移動を促進し、それがコーポレートブランドの強化を導くとでも言うのだろうか?

BMWに買収されてしまったローバー。
MINIのサイトが「BMW」という枠組みの中に納まってしまったら、MINIのMINIらしさ。旧MINIからのDNAみたいなものは消えてしまうんじゃないだろうか? 
ブランドにとって、「らしさ」とは「信頼性」と並んで最も重要な「なにか」だ。統合ナビゲーションヘッダは、ブランドがブランドたる最も重要な「何か」を消してしまいかねないのではないか。

統合ナビゲーションヘッダの発想は、どこか同じ「学生服」を着せるという日本の教育発想に近いものを感じる。